「文禄三年三月八日」「応天門の変」などを手がけた北原北胤監督が、室町時代を舞台に、人知れず世の悪を正す「火面(ひめん)」と呼ばれる男の生きざまを描いた時代劇。 嘉吉元年(1441年)、世にはびこる悪行を正す仮面姿の男「火面」が京の都で暗躍していた。一方、時の将軍・足利義教が権威強化のため強硬な政治を行い、家臣の赤松満祐によって謀殺されるという「嘉吉の乱」が起きる。その時に身を挺して将軍を守ろうとした細川持春は、腕をはねられて重傷を負う。片腕を失った持春は世を忍び、山奥に身をひそめる。実は「火面」として世の人びとのために戦っていた持春。世の中は「土倉(とくら)」と呼ばれる高利貸したちによって民衆が苦しめられており、徳政令の発布を訴える一揆が起ころうとしていた……。 主人公・細川持春を「忍性 NINSHO」「おけちみゃく」など北原監督作に幾度も出演してきた和泉元彌。